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レジリエンスとは?

震災や豪雨などの天災のみならず、テロやコロナ禍など想像すらしていなかった災禍が近年立て続けに発生しています。
多くの人が不安やストレスを抱えて生きているなか、注目を集めているのが「レジリエンス」です。

レジリエンスとは、困難な状況にあっても、しなやかに、柔軟に適応しながら生き延びる力を指します。
ここでは、個人だけではなく、企業や行政などの組織にまで適用できるレジリエンスについてご説明します。

目次

  1. レジリエンスとは?
  2. 軍隊や医療の臨床現場でも活用
  3. 日本でレジリエンスが注目された背景
  4. なぜ今、レジリエンスが必要なのか?
  5. レジリエンスを構成する6つの要素
  6. レジリエンスを鍛えることはできる?
  7. レジリエンス・トレーニングで強化できること
  8. まとめ

1. レジリエンスとは?

変化が多く、複雑化していく現代社会に適応して生き抜く力として注目を集めているのがレジリエンスです。
レジリエンスとは一体どのような力なのでしょうか?モチベーションの違いとあわせて解説していきます。

(1)レジリエンスの意味

レジリエンス(resilience)とは、
もともとは「回復力」や「復元力」「弾力」を意味する物理学で用いられている用語です。
外からの圧力であるストレス(stress)とセットで用いられ、ストレスに対する反発力を示します。

近年では、心理学において、心理的ストレスやダメージに耐える力、
あるいは柔軟に受け入れて対応する能力を指すことが多くなりました。
困難に直面したときでも、強風を受けてもしなやかにたわむ柳のように、
あるいは強く押されてもやがて元の形に戻るゴムボールのように、柔軟に対応する力がレジリエンスです。

(2)レジリエンスの定義とは?

レジリエンス・ポジティブ心理学の第一人者として知られるのは、
ペンシルベニア大学のポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士です。
博士は、全米精神衛生学会と米国教育省から資金提供を受け、
過去20年以上にわたり、ペン・レジリエンシー・プログラムの研究を行ってきました。

ペン・レジリエンシー・プログラムとは、レジリエンスを強化するトレーニングプログラムです。
個人だけではなく、数多くの教育機関、米軍、スポーツ組織などで
ペン・レジリエンシー・プログラムを実践してきたカレン・ライビッチ博士は、レジリエンスについて、
「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義しています。

また、これまでの研究により、レジリエンスは誰にでも備わっている能力であることがわかっています。
しかし、トラウマを克服できる人とできない人がいるように、レジリエンスも高い人と低い人がいることが特徴です。

(3)レジリエンスとモチベーションの違い

困難な状況のなか、目標に向かって立ち向かう力のひとつに「モチベーション」があります。
モチベーションは、人が目標に向かって行動する際の「心理的理由」のひとつとされ、
一般的には「やる気」や「意欲」と同義とされることが多い言葉です。

モチベーションが、困難が立ちはだかったとき、それを打破するために湧き出てくる内的エネルギーであるのに対し、
レジリエンスは困難を受け止め、ある意味受け入れて、成長の糧とする点が異なります。

逆境に接し、モチベーションを保てなくなったときに、レジリエンスの有無によって回復力が異なります。
レジリエンスが高い人は、モチベーションが維持できなくなったときでも、ネガティブにならず、
思考を変えることで状況に柔軟に対応し、困難を乗り切ることができるのです。

2. 軍隊や医療の臨床現場でも活用

レジリエンスは、アメリカでは軍隊や医療の臨床現場でも積極的に活用されています。

アメリカでは、一瞬の判断で生死を分けるほどの大きな心理的ストレスがかかる過酷な環境に身を置かれた兵士たちが、
無気力になったり、うつ病やPTSDなどを患ったりすることが、かねてより問題になっていました。

そのような症状の発生を少しでも防ぐため、あるいは緩和させるために取り入れられたのが、
「ポジティブ心理学」研究のひとつであった、
Master Resilience Program(マスター・レジリエンス・プログラム=MRT) です。

MRTを導入することにより一定の成果が見られたことから、
レジリエンスはうつ病などを遠ざけるのに効果があると認識されるようになりました。

日本においても、近年の急激な社会の変化は、多くの人に強いストレスを与えています。
うつ病などの精神疾患を発病する人が増加してる時代背景を考え、
企業としても社員の、そして企業組織自体のレジリエンスを高め、リスクに備えておく必要があるでしょう。

3. 日本でレジリエンスが注目された背景

日本でレジリエンスが注目されるようになったのは、東日本大震災がきっかけです。

2011年に日本を襲った東日本大震災は、地震の被害にあった人々のみならず、すべての日本人に過大なストレスを与えました。
一瞬にして家や家族を失うことで途方に暮れ、原発事故に由来する放射線の恐怖を感じ、日本中が暗く沈んだ気持ちに包まれました。

しかし、他国であれば暴動や集団ヒステリーが発生してもおかしくない状況にありながらも、
日本人は現実を現実として受け入れ、淡々と復興に向けて進んでいったのです。

その力こそが、レジリエンスです。
逆境に負けず、かといって感情的に取り乱すのではなく、静かに現実として受け入れ、
受け止めてから少しずつ元の姿に戻っていく回復力は、世界的にも注目を浴びました。

2013年には、安倍内閣が災害に負けない国づくりとして「ナショナル・レジリエンス(国土強靱化政策大綱)」を発表しました。
ナショナル・レジリエンスは、防災・減災を目指した災害へのリスクマネジメントを実施し、
強くてしなやかな国をつくることを目指す取り組みです。

ナショナル・レジリエンスでは、東日本大震災のような大災害にみまわれても、
「人命を守り抜いたうえで」「行政や経済社会を維持する機能が致命的な損傷を負わないよう平時から備え」
「迅速な復旧・復興を可能にする」としています。
災禍によって致命的なダメージを受けないよう自身を守り、迅速に回復することは、まさにレジリエンスそのものです。

ナショナル・レジリエンスを国が打ち出したことにより、
個人だけではなく、組織や国家でさえも必要とする能力として、レジリエンスが注目されるようになりました。

4. なぜ今、レジリエンスが必要なのか?

東日本大震災後、日本でも急速に注目を集めるようになったレジリエンス。
近年個人のみならず、多くの企業もレジリエンスを高めるプログラムを導入するようになりました。
なぜ今、これほどまでにレジリエンスが必要とされているのでしょうか?

(1)企業におけるレジリエンスの重要性

VUCA(ブーカ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、
そしてAmbiguity(曖昧性)の4つの頭文字からできた言葉です。
近年社会は急速に変化し続けていて、これからどのように進んでいくのかまったく先が読めません。
VUCAはあらゆるものを取り巻く環境がめまぐるしく変化し、将来の予測が困難な、今のような状況を指す言葉です。

袋が紙からプラスチックに変わり世のなかが便利になったと思ったら、いまやプラスチックは地球温暖化の原因となる悪者扱いです。
紙のストローを使うようになると、10年前の誰が想像していたでしょうか。
さらに2020年に、コロナ禍がもたらした経済への影響や人々の生活洋式の変化などは、
10年前どころか1年前ですら予測だにされていないことでした。

そして今年、あるいは1カ月後すら社会がどう変化するのかわからないことを、世界中の人が知りました。
昨日夢にも思わなかったことが今日起こる、今日正しいと信じていたことが明日には違うといったことは、
もはや珍しいことではなくなったのです。

それだけ急速に変化していく世の中で、企業として生き延びるためには、変化に柔軟に適応する力、つまりレジリエンスが必要です。

レジリエンスは企業にとって、リスク管理のひとつともいえます。
企業を取り巻く環境や社会が、いつ、どのように変化しても対応するために、企業としてレジリエンスを高めておくことは重要です。

(2)個人におけるレジリエンスの重要性

社会の急激な変化に柔軟に対応する力は、個人にとっても重要です。
変化は常にストレスをともないます。
変化を受け入れ、しなやかに対応するレジリエンスがなければ、心がポッキリと折れてしまいかねません。

企業に勤めていれば、なおさら社会の変化に合わせた組織改革や、急速に進むデジタルシフトに背を向けてはいられないでしょう。
急な配置換えや転勤、雇い止めすらいつ告げられるかわかりません。

ストレスがかかる状況を、回避するのもひとつの方法です。
しかし、逃げてばかりいては人間としての成長は望めません。
前向きに生きていくためにも、ストレス耐性を上げ、どんな状況になってもしなやかに生き延びる、
個人としてのレジリエンスを高めることが必要です。

5. レジリエンスを構成する6つの要素

レジリエンスは、以下の6つの要素で構成されています。

  • 自己認識
  • 自制心
  • 精神的柔軟性
  • 楽観性
  • 自己効力感
  • つながり

それぞれどのようなものなのかを紹介していきます。

(1)自己認識(Self-Awareness)

自己認識とは、「自分はこのような人間である」と理解することです。

人にはそれぞれ思考の傾向や、感情表現、行動のパターンがあります。
それらはこれまで生きてきたなかで形成されてきたもので、無意識に発動されることが特徴です。
例えば、「どうせ失敗する」「できないに決まっている」と物事を常にネガティブにとらえる「マイナス思考」や、
「女性はこうあるべき」「このようなときはこう振る舞うべき」といった「すべき思考」などは、クセのように身についています。

逆境に陥ったときや強いストレスを受けたとき、
自分の思考や感情がどのように動いているのかを見つめ、冷静に分析することが、レジリエンスでは必要です。

(2)自制心(Self-Regulation)

自制心とは、自身の欲求や願望、思考や行動をコントロールする力を意味します。

自分の身に予測しないなにかが起こったとき、人は衝動的に行動しがちです。
レジリエンスでは、出来事に対して自己認識を働かせたあと、
思考のクセや感情に流されることなく、自身を制御する力が求められます。

(3)精神的柔軟性(Mental Agility)

精神的柔軟性とは、物事を冷静に見つめ、大局的・多面的にとらえて考える力のことです。

なにか事が起こったとき、ひとつの思考に盲目的にとらわれてしまうと、本質を見誤ってしまいかねません。
「思い込んでいないか」「ほかの方法があるのではないか」と考え、
自分の思考に固執しない柔軟性を持ってトラブルに対処することが大切です。
自分のこだわりを捨て、本質を考えることが、困難の打破につながります。

(4)楽観性(Optimism)

レジリエンスにおける楽観性は、「放っておいてもどうにかなる」とお気楽に考えることではありません。
ここでの楽観性とは、なにが起こっても悲観的にならず、「未来は今よりも良くなる」と信じる力を意味します。

具体的には、窮地に陥ったとき「もうだめだ」とあきらめずに、「これは自分を成長させるチャンスだ」ととらえる能力のことです。
ストレスとなる事柄に対し、自分が対処できる部分とできない部分を切り分けて、
対処できる部分については「自分にはコントロールできる」と自信を持つことを意味します。

(5)自己効力感(Strengths of Character)

自己効力感とは、「自分にはできる」と信じる力、あきらめない力を指します。

困難に直面したときに、「やればできる」と確信を持って行動できる能力は、
「自分にはそれだけの力がある」「自分にはそれだけの価値がある」といった強い自尊感情や自己肯定感に基づいています。
自己効力感は、成功体験が多い人ほど強く、「やってみたらできた」という経験が、今回もできるはずという自信を引き出します。

(6)つながり(Connection)

レジリエンスにおけるつながりは、家族や友人、同僚など、他者との関係を意味します。
困難に立ち向かうときには、つながりのある人に「支えてもらっている」と感じられる精神的な安心感が大切になります。

ストレスは人間関係から生じることも多いため、
自分を取り巻く人たちと、良好な関係を築き、強い信頼関係を維持していく能力は欠かせません。
人は自分一人では生きていけないことを知り、他者と支えあっていく大切さを意識することが、レジリエンスでは必要です。

6. レジリエンスを鍛えることはできる?

そもそもレジリエンスは、生まれ持って誰にでも備わっているものです。
しかし、その能力には差があり、レジリエンスの高い人と低い人、能力をうまく引き出せる人と引き出せない人がいます。

自分はレジリエンスが低いと感じていたとしても、ガッカリする必要はありません。
レジリエンスは育てることができるからです。
レジリエンスを鍛えられることは、先に紹介したように、
アメリカの軍隊や医療の臨床現場でプログラムが導入され、成果を上げていることからも明らかです。

長年の研究により、レジリエンスの高い人には、思考や行動、振る舞いにおいて共通したパターンがあることがわかっています。
それらをトレースし、自分のものとするトレーニングをすることで、レジリエンスは育てていけます。

7. レジリエンス・トレーニングで強化できること

アメリカのポジティブ心理学センターの25年にわたるレジリエンス研究の結果、
レジリエンス・トレーニングを受けると、以下のようなものを強化し、問題を減少させるとされています。

<強化できること>
  • ウェルビーイング(心身と社会的な健康)
  • 精神的な健康と人生への満足感
  • 他者への信頼感と社会的な支援
  • 楽観性と希望
  • 社会的つながり
<減少が期待される問題>
  • うつ病や不安神経症
  • 薬物の乱用やメンタルヘルスの問題
  • 問題行動
  • 絶望感

レジリエンスが育つと、どんな変化が訪れても、ストレスをうまく受け止めて柔軟に対応しながら心を健康に保てるようになります。
さらには、ストレスを自分の成長につなげることすら可能になることも。

個人ではなく組織としても、どれだけ困難な状況に陥っても、あるいは突発的な出来事が発生しても、
動じることがなくなり、冷静に対処できるようになるでしょう。

トレーニングによりレジリエンスを強化すれば、ストレスですら自己や組織の成長につなげ、役立てていくことができるのです。
変化や困難が次々に降りかかる、今の激動の時代を生き抜くためにも、レジリエンスを鍛えることを考えていきましょう。

まとめ

カレン・ライビッチ博士が「逆境から素早く立ち直り、回復する能力」と定義したレジリエンスは、
環境が複雑化し、変化がめまぐるしい現代社会を生き抜くために必要な能力です。

レジリエンスは誰にでも生まれつき備わった能力ですが、人によってその高さには違いがあります。
能力が低ければ、困難に陥ったときに柔軟に受け止められず、心を病んでしまうかもしれません。

レジリエンスは、トレーニングにより育てていけることがこれまでの研究から明らかになっています。
レジリエンス・トレーニングによりレジリエンスを構成する6つの要素を鍛えることで、
どんな変化が訪れても、柔軟に受け止めて心を健康に保つことができるようになるのです。

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