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最近、人的資本経営に関するご相談が増えていきました。あなたの会社では「人的資本経営」という言葉は使わなくても、考え方は「人的資本経営」的になっているのではないでしょうか。

人的資本経営とは、

人への投資はコストではなく、人こそ企業の競争力を高める源泉であり、未来の企業価値を持続的に高める最も確かな戦略です。

「企業の成長と個人の成長を重ね合わせていく経営」への転換を意味します。

なぜ今、「人的資本経営」が求められているのか

これまで企業は、売上や利益、モノや設備といった“見える資産”を重視してきました。でも今、時代が変わりました。

  • 人口減少で「人材の確保」そのものが困難になり、
  • 技術革新や社会課題の複雑化で「人の創造性や共創」が企業競争力の鍵となり、
  • さらに投資家も「人をどう育て、活かしているか」を企業価値の重要な評価軸とするようになったのです。

特に2020年以降は、人的資本の情報開示が世界的に進み、日本でも上場企業にその開示が求められるようになりました。

つまり、「人をどう活かしているか」が企業の信用や成長性を測る“モノサシ”に変わったのです。

だから今、「人にどう投資し、どう活躍してもらうか」が問われる“人的資本経営”が、すべての企業にとって避けて通れないテーマになっているのです。


あなたの会社の現状は?

最近、こんなご相談が増えています。

”人が採用できなくて社員の負担が大きくなっている”

“社員が大変そうなのはわかっているけれど、どうしたらよいかわからない”

”会社を成長させたいけれど、思うように成長しない”

あなたの会社がこのような状況なら、
まさに人的資本経営へのシフト ー人を活かし競争力を高め、未来の企業価値を高めるー タイミングが来ています。

”今までは研修したことなかったけれど、社員を育成したい”という企業様も増えています。

思ったように採用できない昨今、今いる社員の成長が会社の成長を左右しますので、当然の選択だと思います。そして、その今までのやり方を変えて、選択を変える勇気をお持ちの方なのだなと尊敬してやみません。

自分の考え方を変えるのは簡単ではありません。その決断には苦労もおありになったことと思います。

しかし、本気で会社の未来を考え、最良の選択ができる経営者がトップにいる会社は最強です。そのような企業には、最大限の敬意をもって、尽力したいといつも思っています。

一方で、

モノや設備といった見える資産には投資できるが、人には投資しにくいよ、という方がたまにいらっしゃいます。

特にビジネスの世界で長い経験をお持ちの方ほど、その傾向があります。

言い換えると、人への投資はリターンが不安定、リターンがないかもしれない、投資しただけ損するかもしれない、裏切るかもしれない、という気持ちがあるかもしれませんね。

この状態は、行動経済学的には、損失回避バイアスが働いている状態と言えるでしょう。

「損失回避」とは、「得をすること」よりも「損をしないこと」のほうに強く反応し、損を避けようとして非合理な選択をしがちであるという法則です。

ですからある意味、「人に投資できない」というのは、人間だから取る選択なのかもしれませんね。
*「損失回避」は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンがプロスペクト理論の中で提唱しています。

もう少し掘り下げて、「人に投資できない」ということを、組織開発的な観点から見ると、

人を信用していない、人の成長を信じていないのかも、もしくは、自分の管理下におけるものが好き、というメンタルモデル(価値観、考え方)

がある場合があります。

今までに、人を信じられなくなるような経験があったのかもしれません。

分かりやすい話で言うと、
言う事をきかない、言ったこともやらない、教えても育たない、あれだけ育てたのにあっさり辞めてしまったとか、、、

ありがちですね。

人と対峙するのは時に大変です。思い通りになりませんから。そして、それは相手にもそうする理由があったということです。人間は良くも悪くも、周りの環境に大きく影響を受けますから。

そして人間は、モノや設備などと違って、規格があるわけではなく、1人1人違いますから、画一的ではないので、大化けもします。逆に、モノや設備は一定の成果しか出しません。

だとしたら、社員が大化けするような組織をつくる!これが今の時代の戦略です。

それが人的資本経営を行う上での具体的な方法論です。

1人1人の社員は、大化けする素養を必ず持っています。素養を活かすも殺すも、組織次第です。

とても優秀だった他社の社員を引き抜いたら、思ったほどじゃなかったとか、逆に、どうかなと思っていた人がめちゃくちゃ活躍してくれたり。

環境・組織が、人の力を活かしたり、殺したり、大化けさせたりするのです。よく言われる心理的安全性も力を発揮してもらえるかどうかの1つの要素です。

昔は、設備投資すればするほど業績があがる時代でしたから見える資産を増やす財力のある企業に競争力がありました。

しかし、時代は変わり、競争力のある高付加価値商品サービスを提供する会社が生き残る時代です。それを産み出すのは、自分の力を活かしている社員と力を活かせる仕組みを持っている組織です。

あなたの会社は今どんな状況ですか?

あなたの会社の社員が大化けしたら、どのような未来が訪れますか?

(文・菅生としこ)

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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