実施企業様 : | 大豊精機株式会社 |
業種 : | 生産設備・プレス金型・試作金型・試作部品の製造 |
企業規模 : | 400名~ |
導入規模 / 対象者 : | 事務技術系職場 |
期間 : | 2019年~ |

真野社長(真ん中)、田中室長(左)、菅生(右)
“Actサークルは我々の組織論の中の大事な要素”
企業情報
トヨタ自動車(株)の一次サプライヤーとして、トヨタ自動車を中心に自動車関係の設備工程の自動化、プレス金型、部品の製造など幅広く事業展開。50年間、トヨタ自動車の色々な新しい取り組みへのチャレンジを共に行う。
売上高:135億円(2024年3月期)
社員数:414名(2024年3月期)
概要
100年に一度の大変革を乗り切る組織づくり。
横の繋がりが希薄、また属人的になりがちな事務・技術職場でのActサークル活動をスタートさせ、事業の成長、人材の成長、組織の成長に結びつけることに成功された大豊精機様の事例です。
注:Actサークル活動とは、大豊精機様オリジナルのチーム活動の名称です。
背景・期待
- 今までの機能別の縦組織は、これまでのビジネスモデルにはマッチしていたが、今後のビジネスモデルの変化に伴い、事業別の横軸を意識し、縦と横を絡め、新しい動きを出したい
- 部署間に壁があり、属人的になりがちのため、仕事のやり方・プロセスを変え、会社を変えたい
- そのための、Actサークルの活性化による、組織づくり・人づくりを行う
支援内容
- Actサークル活動で行う問題解決の支援
- Actリーダー、上位者、事務局へのアドバイス
- 年に1度のサークル活動報告会での講評 など
効果
- 自動車業界100年に一度の大変革を乗り切る強い組織へと変化
- 属人的業務遂行の良さは残し、必要に応じて属人化を減らす
- 他部署を巻き込んだ活動ができるようになってきた
- 今までは、部署内だけで対応しなければならなかったことも、部をまたいだ活動ができるようになり、メンバーの一番の困りごとを解決する場ができた
- メンバーが自発的に「Actでこれをやろう」という声があがる
- 縦にも横にも繋がりを意識した仕事の仕方に変わった
- 前後工程一緒にプロセスを変えて、皆がやりやすい仕事の仕方に変わる
- 中間管理者、部長、役員が活動をサポートするようになった
- 方針にAct(他部署を巻き込んだチーム活動)が入るようになった
ゲスト
大豊精機株式会社 代表取締役社長 真野 恭一様
大豊精機株式会社 経営管理部 室長 田中啓嗣様

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真野社長のご経歴をお聞かせください。
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真野社長)1982年トヨタ自動車に入社しました。生産技術、製造、そして安全と健康分野の部長をさせていただいた後、10年前の2015年に大豊精機に転籍し、2018年6月に社長に就任しました。実はトヨタ自動車時代に私が携わった技術屋としての業務のほとんどは、大豊精機と共にやってきたものですた。そして今、大豊精機の社長として仕事をさせていただいていることは、巡りあわせ、運命だったなと思っています。
菅生)まさに大豊精機さんと共にビジネスを作ってこられたのですね。
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Actサークル活動を始めた背景を教えてください。
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自動車業界は100年に一度の大変革にあるため、研修や様々な取り組みをしてきました。
うちの職場は、会社の規模はあまり大きくありませんが、商品がいっぱいありますから、属人的になりやすい。
今までは、トヨタさんからのご要望に対し、機能別の組織で、愚直に汗を流しながらやってきました。
しかしこれからは、自分たちで仕事を見つけていく、要するにトヨタさん以外のお客様も開拓しなければなりません。環境は変わるし、商品は変わるし、お客さんが変わるし、それに伴って仕事の仕方が変わります。
機能別組織は、今までのビジネスモデルにはマッチしていたが、これからビジネスモデルが変わる中で、事業別を意識した組織も重要だと考えました。組織としては、機能別か事業別かは縦で見るか、横で見るかの差なんです。機能別で仕事とすると、縦一本道になりますから、属人化が進みます。そこに横のActサークル活動で事業別にクロスをかけて取り組むことで、横の繋がりをつくり、横の風通しを良くした方がよいと考え、活動をスタートさせました。
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Actサークルが始まる前はどんな状況でしたか?
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田中室長)属人的になるような、会社の環境や風土がありました。特に事務・技術系は、“自分の仕事”っていうイメージが強い中で業務を行っていたので、横の繋がりだったり、あるいは部署の中で協力しあってというところが弱かったという印象でした。

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活動して6年になりますが、以前と比べて変化はありますか?
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真野社長)最近は、Actという言葉をすごく使ってくれるようになりました。一番嬉しいのは、上位者からでなくメンバーから「来年Actでやろうか」というメンバーの声が聴こえてくることです。Actの目的自体を理解してくれて、縦にも横にも繋がりを意識してくれてる人が増えてきたんじゃないかと。非常にありがたいなと思っています。
田中室長)最初はなかなかうまくいかなくて、部内活動になったりとか、前後工程を巻き込めなかったりしましたが、最近では、この部またぎ(事業別/部署間連携)活動が非常に多くなりました。属人的なところをなくしたり、関係部署を巻き込んだ活動にしていこうということで、 仕事そのものを変えて、会社を変えていこうと活動しています。属人化はすべて悪いことじゃなくていい意味でも属人化はあると思っています。属人化されて専門性のある知識を持った人がいるってことは、そこに対して課題を持っている人がいるということなので、Actという言葉でちゃんと横に繋がっていくことを皆が意識してくると、更に良くなるんじゃないかなと思っています。
ですから最近、メンバーからActという言葉が出てくることが大きな変化で、このActでやっていこうという意識が全体的に高まってきたなという印象をすごく受けています。
真野社長)人材育成の面でも最初はリーダー1人でやることもボチボチありましたが、最近では、アドバイザー(室長、GM)も活動に関わりたくて、メンバー4~5人のサークルに、関係する室長・GMさんが6~7人関わってくるくらい、中間管理職、部長役員も非常に興味を持ってもらっています。
弊社のマネジメントスタイルとして、人材育成もそうですが、非常に大きな役割を果たしている活動になっています。 6年間、先生のメリハリをつけたご指導のおかけだと思っております。ありがとうございます。
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Actサークル活動の成功の秘訣を教えてください。
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真野社長)事務局が仕掛けをし、上司の関わりを持たせたり、Actメンバーが一番困っている・悩んでいるところを問題に取り上げて、周りを巻き込んで活動することができてきたことですね。業務の一環としてActを行うことで困り事が解決するという意識が出てきたんじゃないかな。
田中室長)やはり上司の関わりが一番大事だと思っています。
結局、仕事でも同じですが、担当者任せ、リーダー任せになるかならないかというのはすべて、上司がどうやって関わっているか、です。
例えば、会合1つとっても、リーダーはリーダーシップを発揮するんですが、上司としてサポートしたり、関わりをしっかり持てるように、仕掛けをしてきました。
そういった中で、少しずつ方針の中にもActが入り、上司の意識も変わってきています。
菅生)縦だけでなく、横の繋がりもつくり、まさにいつでもどんな問題も解決できる組織をつくってこられたということですね。
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菅生に依頼してよかったことがあれば。
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真野社長)菅生先生には、以前から弊社の問題解決研修を見ていただいていた中で、菅生先生の明るさとかメンバーへの寄り添いを見て、満場一致で先生頼みだという事で、お願いしました。
6年間ここまで、思った以上にみんなが活動してくれたのは、本当に菅生先生が横で、飴とムチじゃないですけど、いろいろメリハリをつけてやっていただいたからです。また、問題解決の道具をうまく使う、という話ではなく、考え方、組織と仕事の考え方のところを、我々あるいはメンバーに心に落ちる言い方でご指導いただけることで、我々自身もそうだし、サークルリーダーも本当に腹に落ちて、毎年毎年レベルアップにつながるところ。それが本当に先生にお願いしてよかったなっていうのが、今の私の偽らざる気持ちでございます。
田中室長)先生とサークルリーダー、アドバイザーとの関わりはものすごくいいなと思っています。
特に先生からリーダーへの質問と、一方でアドバイザーや推進者(上司)に対する質問を、しっかりすみ分けされながら質問いただいているので、リーダーだけではく、推進者、アドバイザー自身も成長できるような気づきが多いフォロー会になっているので、菅生先生にお願いして本当に良かったと思います。
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菅生をオススメしたい企業様はどんな企業様でしょうか?
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真野社長)方法論じゃなくて、仕事のやり方、問題解決をベースにした気づき、考え方の部分で、いろいろなサジェスチョンをいただけるので、偉そうに言えないですが、トップとか管理者が問題意識を持っている企業さんだったら、どこでもご対応いただけると私は信じております。
