研修講師やコンサルタント、選ぶ基準は?

企業様が研修やコンサルを依頼したいと思った時、
どこをみて、どんな基準で選びますか?

いろんな選択基準がありますよね。

選択する際の正解はもちろん、あなたが持っているのです。
そして、その選択基準を満たす講師やコンサルタントを
探していらっしゃることと思います。
選択基準に合致するかどうかを見極めるのは難しいですよね。
そして、考え方が合わない講師やコンサルタントとは
一緒に未来を創っていけませんので、吟味が必要です。

ではどのように選んだらよいのか、選ぶ基準をお伝えします。

御社や経営者と考え方や価値観が似ている

基本的には、御社や経営者様と考え方や価値観と似ている方が
ベターです。
ここで疑問がわいた方もいるかもしれませんね。
「経営者の右腕を選ぶ時は、
自分と反対意見の人がよいと言うではないか?」と。

おっしゃる通りです。
「反対意見」というのは、
主に戦略を具現化するための「戦術」の違いを指しているのだと
思います。
戦術はいろいろな意見の中から、最適なものを選ぶという過程が
必要不可欠です。それゆえ、様々な意見、経営者とは違う視点から
ものを見れる右腕が必要になるのです。

今回は、「戦術」ではなく、その上での「戦略」でもなく、
それ以前の企業のスタンス、基本的な考え方や価値観が似ている方が
ベターだという話だとご理解ください。別の言葉で言うと
ミッション、使命、ビジョン、行動指針、クレドなどなど。
ここにお互い共感できなければ、うまくいきません。

何のために会社を経営しているのか、存続させていきたいのか、
お客様と築きたい関係性、わが社の目指すゴール、
目指したい企業の姿、社員と会社の関係性、
会社としてたい大切にしている価値観・・・

多くの場合、選ぶ時の基準は、
何をわが社にもたらせてくれるのか、何を提供してくれるのか、
どのように提供してくれるのか、いくらで提供してくれるのか、
いつまでに提供してくれるのか、
などが気になるところですね。

しかし、コンサルティングや研修は、

すでに出来上がっている、誰が見ても同じ、
有形の「物」を提供するのではなく、

無形の「人」が提供するサービスです。

したがって、提供する「人」の考え方が
提供されるサービスに非常に大きく影響されるのです。

例えば、
社員に「辞めてほしくない」という場合、
→猫の手も借りたいくらいなんだから、君でも辞められたら困る。
→お給料払ってるんだから、今まで育ててきたんだから、
 わが社のためにもっと働いてくれよ。
→君がいてくれたからこれまでやってこれたんだ。
→君の力がうちには必要なんだ。
→君と一緒にもっと強い会社を創りたいと思っていたが、
 君がうちの会社を辞めることで自己実現できるのであれば、
 「辞めてほしくない」が、応援するよ

など、ニュアンスがずいぶん違うのです。
講師やコンサルタントの何気ない一言の中には、
講師やコンサルタントの考え方や価値観が反映され、
それが社員に伝わるのです。
それが社長の考え方を後押しすることにもなれば、
社長の考えを妨げるものにもなるのです。

2.御社の目的に合ったサービスを提供できる

研修やコンサルティングは、
どこを目指すかによって、どの程度の期間で効果が表れるのか
違います。
・社員を育てたい
・風土を変えたい
・体力のある組織にしたい
・組織として縦横連携をとり、1+1を3にも4にもしたい
・売上や利益をあげたい

など、目指すところはそれぞれです。

大きく分けると、2つあります。
1.おなかが空いている方に魚を与えて、その場では
  おなかを満たすことができるようにする
2.おなかは空いているが、今後一人でもおなかが空いたときに
  いつでも自分で何度でも魚を獲れるようにする

1は、即効性があります。すぐに成果が表れるので、短期的に成果を
挙げたい場合には、最適です。しかし、それによりますます成果が右肩
あがりになることはありません。

2は、即効性はありませんが、効果の持続性があります。
長期的視点で見れば、必ず右肩あがりになります。
しかし、ある程度の期間、積み上げることが必要なので、
効果を感じられるまでの期間、多少の忍耐が必要です。
ある程度の期間、というのは、何を目的に、どのレベルを目指している
のかにもよります。

企業様の現在の状況次第で、どちらを選ぶか、または両方行うのかを
決める必要があります。
そして、御社の目的に合ったサービスを提供してもらえるのかどうかを
見極めてください。

参考までに。
トヨタや大きく育ってきた企業、いわゆる業績のよい企業では、
長年「2」に投資をしていたため、今の業績があります。

「2」は、これから何十年も事業を存続させていきたい企業様
にとっては、今すぐに始めることとお勧めします。
なぜなら、効果が出るまでに時間がかかるからです。

「2」の効果が表れてきたころには、
経営者や上司が部下に対して、あれこれを口を挟まなくても
部下が自分で考え、行動でき、組織として自動的に(勝手に)
生産性が向上するような仕組みができているのです。

次回へ続く。

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