「現状把握」が必要な理由

この3月から、岡山の企業様でお仕事がスタート。

こちらの企業様、JR岡山駅から海側に向かった場所に本社がある。
近鉄四日市駅からJR岡山駅は、2時間半で行ける。
案外近い。
とはいえ、朝からのお仕事なので、前泊。
岡山駅近辺のクライアント様は初めて。
今回は夜の到着になるので、迷わないように、JR岡山駅の目の前のホテルを予約した。
目の前のホテルだから何とかなるかなと予想。
こう見えても、地図は読めるし、知らない場所でも太陽が出ている昼間の地上では野生の勘が働くので、あまり迷うことはない。

しかし、地下街は勝手が違う。
地下でご飯を食べ、さてホテルへ。。。と思ったが、う~ん困った。
ここはどこ?
現在地が分からないし、向かう方向も分からない。
どっちへ動いたら良いのか分からない。
荷物を持ちながら、あちこち歩きまわるのも大変。
到達したい場所はピンポイントで分かっていても、現在が分からなければ、どの方向に歩めば良いか、分からない。

出かけた時だけでなく、この状態に直面することはよくあること。

例えば、離職率を下げたいと思った時、今がどの状態なのかが分からなければ、離職ストップのために何をしなければならないかも当然分からない。
いろいろ手を打っても、打ち手が「当たり!」かもしれないし、「はずれ!」かもしれない。

また、「お客様に心から喜んで欲しい」と思ってサービスを展開するが、今どの程度喜んでもらえているのか、何について喜んでもらえているのかなど、上辺ではなく、本当の状態が分からなければ、様々なサービス展開しようと試行錯誤を繰り返すことで無駄が生じる可能性は高い。

特に、人や組織に関することは尚更現状を把握しづらい。
人の問題や組織の問題は、本当の事実や現状は、ほとんど目に見えないことだし、あまり表面に表れないものなので、現在地の確認がし難い。

「大丈夫、見えている。わかってる」と思っていることも、自分の狭い世界の中での認知なので、実は見えていなかったということがかなり多い。
私の体感だと、経営者が自社の人や組織の現状を把握している度合いは、残念ながら6割くらい。
だからこそ、組織や人の現在の状態を事実で数値で把握する必要性がある。
現在を状態を把握できたら初めて、私たちの組織では望む未来を実現するために何をしたらよいか、ようやく明らかになる。

すべては、現在地の確認と到達したい未来を描くことから始まる。

文:菅生としこ

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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