死んでも行きたい!?「たんぽぽ温泉デイサービス」

テレビでも紹介されている「たんぽぽ温泉デイサービス」。
冒頭は利用者さんの言葉です。ここまで言わせてしまうとは・・・!

ここは、「日本でいちばん大切にしたい会社」審査員特別賞を受賞した会社です。

見学させていただき、こんな施設でお世話になれたら満足だろうなぁ、日本全国にあればいいのに、と真剣に思いました!素晴らしい!とにかく驚きの連続でした。すごいところをいくつかご紹介。

わざわざ1350m掘削したそうです
(わざわざ1350m掘削したそうです)

1.利用者さんの選択する自由がある

デイサービスというと、施設に到着してからいつ何をするのか、あまり自由がないのが普通。
そこが違います!お風呂に入る時間も自分で選択、所定時間内に何をするのかも自分で選択、食事も豊富な種類の中から自分で好きなものを好きなだけ選択。写真は、欲張りな私が自分で盛ったランチ。この日は、なすのみそミンチご飯、蟹の爪フライ、その他にも20種類以上チョイスできました。

選択できるランチ

施設内で行うことも、300種類のアクティビティメニューの中から自分で選択できるんです。

2.施設内の仕組みがすごい!

これはシードという施設内通貨。こども銀行券みたいな(笑)

シードという施設内通貨


この施設は、介護認定を受けた方が自立できるように支援する施設。よって、手・指・脳も含めて自立した生活ができるよう運動するように仕向けられています(笑)。どんなアクティビティもこのシードを使って行い、終わったらシードがもらえる!

例えば、“マットトレーニング”。介護認定受けている方々にとって、苦痛ですよね。マットトレーニングは参加するのに2000シードかかりますが、5000シードも稼げるから、3000シードもらえるわけです。この稼いだシードは、専用通帳にためてもいいし、自宅のカンカンに貯めてもいいし、館内喫茶店でコーヒー(500シード)を女性におごるもよし。ネイル(1000シード)したり、カラオケ(100シード/曲)に使うのご自由に。勝手にサークル活動ができあがったりもしているようです。館内が社会の縮図になっていますね。落合陽一さんの「超AI時代の生存戦略」(大和書房)に、“これからは「ギャンブル的報酬(ドキドキ、チャレンジ)」と「コレクション的報酬(積みあがる)」と「心地よさの報酬(五感を使う)」が必要だ。遊びをデザインしていくことがキーワードだ”と書いていましたが、まさにそれができる場所ですね!

マットトレーニング

3.利用者さんの尊厳を守る

選択の自由もまさに尊厳を守ること。そして、なんと!デイサービスの送迎車に黒塗りハイヤーがある!これは、ワンボックスに「たんぽぽデイサービス」と塗装されている車では、ご近所さんの手前、プライドがあるから「俺は行かないぞ」という方用に考えられたサービス。その方の気持ちに寄り添ったサービスですね。

4.ご家族もエンドユーザー

黒塗りハイヤーは、利用者さんのためでもあり、できれば通所してほしいご家族さんへのサービスでもありますよね。ご家族も、嫌がる方をデイサービスに通わせるのは心苦しい。でも気持ちよく行ってくれて、満足して帰ってきてくれたら、自分の選択は間違ってなかったと思えますね。

ご自宅で介護される方々への配慮は他にもあります。
例えば、パン教室。作ったパンはご家族に持ち帰りができます。お孫さんに、今日もパン食べたい、と言われれば張り切って通い、リハビリしてシードを稼いで、シードを使ってパンを作る。お孫さんには自分が作ったパンを食べてもらえる、喜ばれる。ご家族は、おばあちゃんにデイサービスに行く意味を与えることができ、しかも元気になってもらえる。素晴らしい循環ができています。

パン教室

5.働くスタッフも楽しく働ける

介護スタッフには変わりありませんが、いかに楽に楽しく働けるかの工夫がいっぱい。

残業はほぼなし!それは、利用者さん自身にお膳の上げ下げや、朝イチのバイタルチェックなど、自分でできることは自分でしてもらうことで、仕事を減らしています。というと言い方が悪いですね!

利用者さんの自立支援、それでシードを稼いでもらうこと、結果的にスタッフの仕事が減る

この3つがうまく回っているんです。通常山ほどの書類を書かなくてはならないところを、オリジナルシステムをつくり、書類作成の時間をほぼなくしました。

利用者さんが楽しそうに自発的に運動してくれるので、スタッフも楽しくなる!

スタッフは、「たんぽぽマイスター制度」」というもので、自分の現在の行動力の評価が見える化され、モチベーションアップ。

カジノもありました!
(カジノもありました!)

「すべてはここを訪れる皆様のハッピーの為に」

こんな施設が一つでも増え、これからの高齢化社会にハッピーが届けられたらなぁと思っています。まず私にできることは、こんな素晴らしい施設があることを伝えていくことだと考えました。いきなりデイサービスは作れませんから。が、参考になることがたくさんありましたので、何か別の方法で貢献していきます。

ご案内いただいた高橋施設長、そしてたんぽぽのスタッフ、利用者の皆様、ありがとうございました。

そこで出会った94歳のおばあちゃまの話はまた今度♪

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