一体感ある組織にしたい、
まとまりのある組織にしたい、
社員に同じ方向を向いてほしい、
結束力ある組織にしたい、
なんて思ったことはありませんか?

そんな組織にしたいですよね!

戦国武将・毛利元就の三本の矢の有名な話、ご存知の方も多いと思います。

1本の矢は簡単に折れるが、3本の矢が束になれば折れにくい、というお話ですね。
組織に置き換えると、「強く、仲がよさそうで、ちょっとやそっとでは倒れない」そんな組織ではないでしょうか。
それぞれの企業規模、企業ステージによっても、イメージは少しずつ異なると思いますが、方向性は同じだと思います。

先日も「全社員一丸となって」という社長の挨拶を聞いたところです。

ではどうしたら「全社一丸」となれるのでしょうか?

「全社一丸となって」と言われても、どのようにしたらよいかがわからなければ、実現しません。
全社一丸となる意味がわからなければ、人は動きません。
「全社一丸となって」という念仏として唱えるだけでは、勝手に一丸とはなりません。そのための取組が必要です。
あなたの会社はどんな取組をしていますか?

3本の矢のような強い組織にするために大事なことがあります。
それは、1人1人の持っている力を最大限活かすこと、です。

ここでお伝えしたおきたいのは、

まとまりがある、結束力がある、同じ方向を向く、などこのような組織には2通りあるということです。

1.外的強制力で同じ方向を向かせる組織
2.社員が自らの意思で同じ方向を向いている組織

以下、あえてわかりやすく極端な言い方をしてみますね。

1.外的強制力で同じ方向を向かせる組織

軍隊的に「右向け右」状態。
社員は、社長や上司が言っている目標だからと言われるがまま、自分であまり考えることなく、自分の力を最大限発揮しようとすることなくなく、目標に向かって走らされている人が寄せ集められた組織。
この組織も、社員を同じ方向に向かせることができます。
強制力によるコントロールがしやすく、すぐに右向け右をしてくれるので、マネジメントは楽です。
ただ、トップの力が組織の力を左右する状態です。
トップの知識や能力以上の会社にはなりません。
100本の矢は、50本程度の力にしかならないことが多いです。
50本になればよい方かもしれません。

2.社員自らの意思で同じ方向を向いている組織

社長や上司が言ったからではなく、社員1人1人が会社が掲げているビジョンや目標にコミットしているから、自分の頭でもビジョン・目標について考え、アイデアを出し、行動しようとしている状態です。
そのように自分で自分の力を最大限使おうと能動的に動ける人同士が能動的に協力し合いながらビジョンに向かって結束力を高めている状態です。
この組織は、1人1人の意思や考え、アイデアを受け止めて、建設的な議論・対話を繰り返すことになるので、少しの労力が必要です。
そんな様々な意見や考えを成果に結びつけるマネジメント力が必要です。
ただ、自分がやりたいこと、自分が達成したいビジョンだから、社員は労力をいとわなくなります。
様々な強みを持った社長も含めた社員全員の力を使える組織なので、100本の矢が1000本の強度にもなる組織です。

どちらの組織も、まとまりはありますし、一体感はあります。

1の場合は、社内が活性化していませんが、2は活発な意見交換や優秀な人材の離職が減ります。
「一体感」「まとまり」「結束力」を求めている会社さんは、「2.社員自らの意思で同じ方向を向いている組織」を求めているのだと思うのです。
もしかしたら「1.外的強制力で同じ方向性を向かせる組織」から脱却しようとしている最中かもしれません。

1から2の組織にするためには、
1人1人の力を最大限活かすことで、自発性のある、自分で考え行動できる社員をどれだけ増やせるか、
ビジョンに共感してくれる社員を増やせるか、マネジメントできる人材をどれだけ増やせるか、
が鍵です。
そして、その人材を活かせる仕組みをどうつくるか、がもう1つの鍵です。
それにより、強度のある今より大きな組織をつくれるようになります。

あなたはどんな組織にしたい、どんな会社にしたいと思っていますか?

そのために何をしますか?

それを考える一助になれば幸いです。

文:菅生としこ

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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