今年もスタートしました。

一人ひとりのレベルアップを図り、組織としての成果をさらに高めたい企業にとって、非常に参考になるスキームがあります。今回は、その取り組みをご紹介します。

それは、愛知県庁様での問題解決研修です。

毎年、周囲を巻き込んで仕事を進める力を持つ影響力の高い職員(主に管理職以上)の方々を対象に、実践型の問題解決研修を担当させていただいています。実際の業務課題に8か月間取り組んでいただきます。

この研修の特徴は以下の通りです。


複雑で解きがいのある課題に取り組む

参加者のレベルに応じるので、テーマも高度になります。短絡的な思考では解決できない課題に向き合っていただくため、従来持っている視点では通用しないテーマばかりです。

その過程で、参加者自身も成長し、解決できなかった課題が前進します。


「教えるレベル」まで引き上げる

インストラクターとして他者に教えられるレベルまで高めることが最終ゴールです。

「自分は問題解決がわかる・できる・だから教えられる」という確かな自信を持っていただきます。


研修の運営設計もユニーク

  • 少人数制で、各自の課題をしっかり整理し、思考と視点を深めていきます。
  • 反転学習を取り入れ、事前に動画や書籍で基礎知識を学習してから実践に臨むため、知識だけで終わらない研修になります。
  • 実践期間が設けられており、現場で実際にやってみる中で、思考力・行動力・決断力・調整力・タイムマネジメントなど、様々な力が鍛えられます。

「できるようになる楽しさ」を実感

私自身、指導している時に参加者から「先生、楽しそうですね」と言われることがよくあります。実際、その通りで、問題解決のプロセスはとても楽しいのです。

なぜなら、進めれば進めるほど成果に近づき、「こうなりたい」というワクワクする未来に手が届くからです。やるべきことが明確になり、自分ごと化され、自然と動きたくなっていきます。

もちろん、調査や決断、周囲との調整など、楽しいことばかりではありません。成果が出るか不安なこともあるでしょう。

しかし、やり方がわかってくるにつれ、自分の成長が実感でき、難しい課題にも仲間と協力して取り組むことで、仕事のやりがいや喜びも大きくなっていきます。


「問題解決」はネガティブなものではない

「問題」と聞くと、マイナスのイメージを持たれる方も多いかもしれません。

しかし、私たち(トヨタ自動車も含めて)が定義する問題解決とは、「悪化した状況を元に戻す(マイナスからゼロ)」だけでなく、「現状をさらに良くする(ゼロからプラス)」ことも含まれます。

そして、問題解決の考え方と視点の学習なので、ネガティブどころか、どんな職場・業務にも通用する、最強のスキルだと断言できます。


あなたの会社でも「問題解決人材」を中核に

人事ご担当者様であれば、自社にどんな研修を導入すべきか悩むこともあると思いますが、「組織を成長させたい」と本気で思うなら、この問題解決の力を育てる研修は、“やった方がいい”ではなく“やらなければならない”研修の一つだと私は思います。

高校生にもこの問題解決の進め方を授業で展開していますが、高校生でさえ「もっと早く学びたかった」と言うほどです。

少々の小難しさを感じる問題解決だからこそ、楽しく学びたいものですね。

追伸:

初回研修の際、上席の方に「菅生先生、受講者の問題についての専門知識はお持ちではないのに、初見で短時間であそこまで見極めて、分析できるってすごいですね」とおっしゃっていただきました。

私は、ただ単に問題解決の進め方を教える研修講師ではなく、通常は企業様の様々なヒアリング内容から、問題を見極めて、それを解決に導くコンサルタントなので、当たり前だと思っています。実践型で問題解決を指導する者には問題を明確化する技術はマストです。そうでなければ、受講者にフィードバックできませんから。そして、そういう技術を持った人間から教わらないと、インストラクターは育ちませんしね。

それはそうと、お褒めいただき、長い時間トレーニングし続けている甲斐があったなぁと嬉しく思いました。承認、ありがとうございます!

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