先日、クライアント先の社長から1冊の本をご紹介いただきました。
とても勉強熱心な社長で、時間を作って本を読んだり、
セミナーに参加していらっしゃる方です。
その本のタイトルは、
「あなたのチームは機能していますか?」
著者は、組織と経営チームの強化育成を専門として
経営コンサルティング会社社長、パトリック・レンシオーニ。
大企業のコンサルティングもしている方です。
内容は、一行もムダがないほど、1冊丸ごと、
組織強化の視点が詰まっていると言っても過言ではない、
素晴らしい本でした。
物語+ポイント解説という仕立て。
物語はイメージしやすく、よくあるチームの話が描かれています。
前半の物語200ページを読んだだけでも組織強化の概略はつかめます。
後半40ページには、ポイントが書かれており、
チェックシートもついているので、
自社の現状を把握し、改善策を考える一助にすることも
できるかもしれません。
ご興味ある方はぜひ読んでみてください。
I社長、ご紹介いただきありがとうございました。
今日は、本の紹介もさることながら、
この本でとても印象的な場面(p.90)を紹介します。
この場面の背景を少しお伝えしておきますね。
キャスリンはCEOとして2週間前に就任したばかり。
バラバラな経営幹部をチームにしよう思い、
オフサイトミーティング(日常とは異なる環境で関係性を再構築し、
チーム作りと問題解決を目的に設定されるミーティング)
をしている中での一場面。
キャスリンは、幹部に対し
「あなたたちは~~しちゃいけない理由でもあるの?」と問いかけます。
それに対して、別の幹部から言われた言葉。
“キャスリン、悪くとらえないで。
でも、『あなたたち』じゃなくて『私たち』って言ってもらえないかしら。
CEOなんだし、もう私たちのチームの一員なんだから”
出典:『あなたのチームは機能していますか?』株式会社翔泳社
パトリック・レンシオーニ (著), 伊豆原 弓 (翻訳)
いくつもの意味が込められたこの一文ですので、伝えたいこと満載ですが、
今日は1つだけピックアップします。
それは、著者が伝えようとしているのは、
CEO自身が批評家・コンサルタントになってはいけない、
ということです。
キャスリンはCEOであるにもかかわらず、
自分の問題ではなく、「あなたたちの問題」だと
心の中で思っていることが言葉になって表れています。
組織強化を図りたい、
もっとチームを一体化させたいと思うなら、
この視点は非常に重要です。
組織強化は、他の誰かがやってくれることではなく、
誰かのせいで進まないわけではないのです。
自分がその組織の一員として
自分ができることにフォーカスし、
行動することが非常に重要なのです。
「幹部がやってくれない、社員がやる気がないから」
と経営者が言えば、
社員や幹部は
「社長がやってくれない、会社が考えるべきだ」と言う。
そんなのは、対立構造を生むだけです。
対立構造があるうちは、組織がまとまることはありませんし、
同じ目標に向かって前進するなんてことも夢のまた夢ですよね。
そのようなことを言ってはいけないわけではありません。
伝えるのであれば、それをお互い受け止め、
そこから議論を前にすすめ、行動していくことが重要です。
もう一度言います。
社長も社員も、全員が、
批評家ではなく、その組織の一員として、
自分ができることを考え、実行することが大切です。
そのためにどうしたらよいのか、と気になりますよね。
前出の「あなたのチームは機能していますか?」で
学べることも多々ありますので、
まずはぜひ読んでみてください。
前半だけなら2時間で読めると思います。
本を読んだだけではわからないこともあるかもしれません。
実行しようと思うと思い通りにいかないこともあるかもしれません。
その場合には、ぜひご相談ください。
追伸:私自身は、コンサルタントに頼り続けるのではなく、
企業様内でできるようになるのが最善だと思っているので、
今、そのためのノウハウをまとめようと頑張っています。
また完成したらお披露目させていただきますね。
ノウハウ、早くほしい、今すぐほしいという方はご連絡ください。
(文・菅生としこ)