菅生の一言

Todasy’s センテンス『違和感をチームで深堀りする』

成果をあげる組織に変わるお手伝いをしていますが、根本的に組織が変わる方法は何か、日々考えています。
方法はいろいろありますが、有効な方法の1つは間違いなく、「対話ができる組織にすること」です。
今日ご紹介する本の著者宇田川先生も、組織が変わるのに有効な方法論は「対話」だと、おっしゃっています。

どんな問題も、最初のきっかけは「アレ?どこかおかしい」「何かが違う」など、当たり前が当たり前ではないこと、違和感に気づくことです。
気づいても、気づいたことに気づかずスルーすることもあります。
気づいても、見て見ぬふりや誰かがやってくれるかな、誰か気づくかな、と問題提起しないこともあります。

先日もある企業様のプロジェクトにおいて「その開発プロセスでは、こことここで時間がかかって、期日までにできない」ことが発覚したのですが、
「そうなるかもしれないと思ってた」という人が二人もいたのです。
なぜ早く言わないんだ!!!と責めたくなるかもしれませんが、責めたらますます黙ってしまいます。
そうなのです。
気づいた後、その違和感にチームで対応できるかどうかが非常に重要です。

うまくいっていない組織で非常によくあるケースは、「あ~、そうですよね。私も思ってました」という発言です。発言にはならずとも、聞いてみると心の中では思っていた、ということも非常によくあります。
要するに、違和感を感じてもスルーする組織、ということです。
心の中の声はこんな感じです。

・そのやり方ではうまくいかないのではないのでは?

・それではいつか破綻するかも?

・ここってどうなってるの?

・なぜみんな賛成するの?おかしくない?

でも、言い出さない、言い出せないのです。
このような声にならない声が多い会社は大抵、閉塞感がある、風通しが悪い、コミュニケーションが悪い、という状況になっています。
そして社員の当事者意識が低い、意欲が低いです。
そして問題解決が精力的に行われていかないために、なかなか問題は解決しない、いつも問題解決に追われている、成果が上がらない、一層意欲がなくなる、という悪循環に陥っています。
うまくいっている組織では、必ず違和感・気づきがシェアされ、その違和感を深掘りしています。
不安の思い過ごしだとわかれば視界良好になりますし、そもそも最初の橋のかけ違いが起きていることに気づくこともできます。
また違和感がきっかけでイノベーションに繋がっているのです。
自分が貢献できていることを感じ、やりがいも生まれます。

では、声にならない声を減らすには、どうしたらよいか?
それは、対話です。

声をあげられていない社員がいる組織なら、全力をあげて、対話ができる組織にすることが重要です。
なかなか解決しない問題があったり、成果があがりにくいと感じている企業様は、早急に対話できる組織にしていくことで必ず成果が上がり始めます。

なぜなら、対話がなければ、声の大きな人の能力以上の成果は出ません。
対話がなければ、イノベーションは起きません。
対話がなければ、社員の強みは発揮できず、モチベーションはあがりません。
ということで、最初の一歩は、違和感を深掘りすることです。

1人での深掘りもよいですが、
チームで違和感・モヤモヤ・気づきを出し合い、共有し、深掘りすることです。
対話ができる組織になると、組織が変わります。

では今日の1冊から、一節をご紹介します。

“マインドフルな組織とは、想定外の出来事や小さな問題を早めに感知し、その意味を考え、必要な手立てを講じ続けられる組織です”

“マインドフルな組織とは、「ん?これは何かおかしいぞ」という小さなモヤモヤとして出来事に対し、意味を探索できる組織です”

“問題が起きることを歓迎できる組織と言ってもいいかもしれません”

出典:『組織が変わる 行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2on2』ダイヤモンド社
著者:宇田川元一著

株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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