組織の生産性をあげたい、イノベイティブな組織にしたい、チームの一体感を高めたい、活気ある職場にしたい。
このような組織にしていこうとする企業様が増えています。
それは、社員が1人1人自発的に考え、発言し、行動し、節度はありながらも言いたいことが言える心理的安全性の高い職場で、協力し合いながら仕事が進められている状態となり、初めて実現します。
このような企業様に共通するのは、意識しているかしていないかに関わらず、トップダウン一辺倒からの脱却を図ろうとするという意味を持ちます。
トップダウンとは、
組織やプロジェクトに関して、意思決定が上層部から下層部へ一方向的に行われるアプローチを向きます。この考え方では、経営者やリーダーが主に方針や目標、戦略を決定し、その内容を部下や従業員に伝え、させる形(指示命令)となります。権限は上から下に流れるため、指示や方針が明確で、組織全体が一貫して方向に進むのが特徴です。
そのため、迅速な意思決定が最大のメリットで、大規模プロジェクトなど効率重視で仕事を進める時には非常に有効です。
一方で長期間トップダウンアプローチの組織で仕事をしている場合、常に意思決定は上位者が行い、それが上から流れてくるのを待つ姿勢となり、指示命令がなければ動かない人材が育ちます。また、組織が硬直化します。
部下は上の顔色を見ながら仕事をする、指示命令されないと動かない、些細なことまで上位者に決断を求めてくる状態がトップダウンが浸透しているサインです。
トップダウン一辺倒から脱却したいワケ
ではメリットも大きいのになぜトップダウン一辺倒から脱却したいと思うのでしょうか?
主な理由は2つです。
1つは、それは世の中の変化に対応しようとすれば、様々な弊害が出るからです。
以前の世の中の変化が緩やかな時代には、答えがわかりやすかったことと、意思決定と指示命令を頻繁に行わなくてもよかったので、トップダウンの方がよかったのです。
しかし昨今は、世の中の変化が激しく、変化スピードも早いので、どんなことがあってもすぐに柔軟に対応する必要があります。
トップダウンであれば、経営者は変化スピードと変化に常時四方八方にアンテナをはり、早急に意思決定し指示命令する必要があります。
しかし、どこで何が起きているのか把握しきれていないことが多いのではないでしょうか。
また、意思決定・指示命令すべき案件が増えており、経営者のもとに、意思決定・指示命令しきれていない案件がどんどんたまっていきます。
早急に対応しなければならないにもかかわらず、です。手が回らないのです。
経営者が動かなければ会社は停滞する状態になるのです。
したいと思っていることがやれていない、着手できていないという方も多くいらっしゃいます。
また、違った形で弊害が出てくることもあります。
それは、経営者は意思決定は行うものの、具体的な指示命令を幹部・管理職に任せるので、今度は幹部・管理職が手が回らない状態になり、大きな負担がのしかかり、疲弊している企業もあります。
管理職が疲弊し、管理職になりたがらない社員が多い会社は、トップダウン病にかかっています。心当たりのある企業様も多いのではないでしょうか。
だからこそ、トップダウンから脱却したい、と考える企業が増えています。
これが1つの理由です。
もう1つの理由については、次回お伝えします。
菅生としこプロフィール
トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!