
「ここを改善してほしい」
「もっとこうしたほうがいいのに」
「前から言っているのに、なかなか動いてもらえない」
そんな場面、ありますよね。
相手にやってほしいことがある。
自分は必要だと思って伝えている。
それなのに、相手は動かない。
あるいは、動いても続かない。
こういうとき、つい
「なぜやらないのだろう」
「もっと当事者意識を持ってほしい」
と思いたくなります。
でも、ここを意識の問題だけで見ると、あまりうまくいきません。
なぜなら、多くの場合、相手が動かないのは、
やる意味と目標が、自分ごとになっていないからです。
「改善して」は、案外あいまいです
上司からすると、「改善してほしい」という要望は
十分に伝わっている、と思っています。
でも、受け取る側からすると、意外とあいまいです。
- 何を、どこまでやればいいのか
- なぜそれをやる必要があるのか
- 自分にとって、どんな意味があるのか
- やったあと、何がどう変わるのか
ここが見えていないと、人は動きにくくなります。
特に、業務の簡素化や効率化の話は、
上司にはよく見えていても、
本人には別の見え方をしていることがあります。
本人には、本人の心配がある
たとえば、繁忙期に負荷がかかる業務を自動化したいとします。
上司から見ると、
「今のままだと大変だから、もっと効率よくしたい」
「自動化できればラクになる」
という、前向きな改善です。
でも本人は、そうは受け取っていないことがあります。
「簡素化して、効率よくしたら、その空いた時間にまた別の仕事を入れられるのではないか」
「結局、自分がラクになるのではなく、仕事が増えるだけではないか」
そう思っていたら、
気が進まない、手が止まるのは自然です。
つまり、改善に反対しているのではなく、
改善した先に、自分にどんなことが起きるのかが不安なのです。
だから、先に目標が必要になる
こういうときに大事なのが、目標設定です。
ここでいう目標設定は、単に「いつまでにやるか」を決めることではありません。
- なぜやるのか
- 本人にとってどんな意味があるのか
- どんな力がつくのか
- その改善が、本人のキャリアや成長にどうつながるのか
そこまで含めて、目標にするということです。
たとえば、
「この業務を自動化できれば、繁忙期でも振り回されず早く帰れるよ」
「今の仕事をただ減らすのではなく、やりたいと言っていた仕事に時間を使えるようになる」
「改善をやり切る経験は、今後もっと大きな業務改善を担う力にもつながる」
そんなふうに、本人にとっての意味が見えると、改善は少しずつ自分ごとになります。
特に大事なのは、「空いた時間をどうするか」を先に決めること
今回のテーマで、とても大事なのはここだと思います。
改善や効率化を進めたいなら、
空いた時間に何をするのかを、先に丁寧に扱うことです。
もし、その時点で
「空いたら、そのぶん別の仕事をどんどん入れる」
という運用をしてしまうと、現場は学習します。
「改善しても、自分がラクになるわけではない」
「結局、仕事が増えるだけだ」
と。
こうなると、改善提案は出にくくなります。
言われたことだけを最低限やる状態になりやすいです。
だからこそ、なし崩しに空いた時間へ仕事を入れるのではなく、
その時間をどう位置づけるのかを、目標の中で明確にすることが大切です。
動いてもらうには、「会社の都合」だけでは足りない
会社として改善したい。
効率を上げたい。
生産性を高めたい。
どれも大事です。
しかし、それは「会社にとって」の大事なことです。
社員は頭ではわかっていても、
それだけではなかなか動きません。
人が動きやすくなるのは、
会社にとっての必要性と、
本人にとっての意味やメリットが重なったときです。
それがなければ、何度言っても動いてもらえません。
だから、やってほしいことがあるときほど、
- 会社にとってなぜ必要か
- 本人にとってどんな意味があるか
- その先にどんな成長や役割があるか
を、セットで伝えることが大切です。
ぜひ、今日のちょっとしたコツ、試してみてくださいね。
