「仕事が好きです」という方にお会いすることはあっても、「私は仕事を抱え込むが大好きです」という人には今まで会ったことがありません。
好きで抱え込んでいるわけではないのに結果として抱え込んでしまっている人が結構大勢います。

先月始まったある会社の次長面談でのお話です。
最近次長がピリピリしているという周囲からの噂をお伺いしていました。

面談で「最近お忙しそうですね」と水を向けたらどんどん仕事が増えているとのこと。
かなりご多忙の様子で、「何とかしたいんだけどね」とのことでした。
そこで一緒に仕事を整理することにしました。

見えにくい仕事を見える化する

普段は意識に上がってこないであろうことも様々な角度から質問をしてみると、そういえば…、と出てくる出てくる。
かなーり仕事を抱えていらっしゃいました。

その仕事の山を見て張本人の次長さんもびっくりされていました。
自分では抱えていることに気づかないんですよね。そんなものです。

仕事を抱え込んでいた理由は、部下は負担が増えるのが嫌じゃないかという思い込みや、次長が楽しようとしていると部下に思われることも嫌だなという思い込みから、頼みにくかったようです。
その上、自分でやった方が早いので、その方が良さそうだと思い、誰にも頼まなかったらいつのまにか自分の仕事が増えていたとのこと。

仕事を抱え込む人の共通点

仕事を抱え込む人には共通点があります。
大別すると、【マインドの壁】【スキルが未熟】【組織が阻害】の3つです。

【マインドの壁】
責任感、完璧主義、迷惑かけられないと思い込みなどのマインドを持っていることで抱え込んでしまう方

【スキルが未熟】
任せる、教えるスキルがなく、どう任せたらよいかわからず抱え込んでしまう方

【組織が阻害】
仕組みや役割分担が不明確だったり、属人的になっていることでその方がやらざるを得ない環境になっている方

さて、身近で仕事を抱え込んでいる方はどのタイプですか?
タイプごとに対処方法が違います。

決して、その方が悪いわけではありません。
抱え込まないようにする方法を知らない、できる状況にないだけなのです。
先ほど言いましたが、誰もが好きで抱え込んでいないことを理解してほしいのです。
ということは、これらは会社として取り組む必要がある問題だということです。
それはなぜか。
個人では解決できないから解決されずに残っている問題であり、抱え込む方がいることによって様々な弊害が起きるからです。

その弊害とは、次の通りです。

・多忙になり、業務が滞ります。
例えるなら、雪道でタイヤがスタックした車があり大渋滞を起こしている状態です。
一台二台の渋滞ならまだましですが、大渋滞を引き起こし救急車も足止めくらう可能性大です。

・いつまでも属人化状態が続く。その人が組織のボトルネックとなります。

・チーム皆の力を活かせず、生産性が低下。

・仕事をする機会のあるその方だけが成長し、部下が育ちません。
人材確保が難しい時代には、育成し、1段階、2段階と難しい仕事ができたりキャパを増やしてもらうことが非常に重要です。

・心的ストレス、身体の健康を害します。

・ストレスや身体不調によるチームへの悪影響。

・「あの人に任せてたらやってくれるよね」という個人主義のまん延

・いつまでも機会をもらえず活躍できないと感じる部下の離職

書き出したらいろいろありましたね。

あなたの会社では抱え込んでいる人はいませんか?
今すぐ抱え込みを解消する取り組みを始めてください。
取り組むことによって、長期に亘って大きなリターンが必ずあります。断言します。

ちなみに。
お話にあげた次長さんですが、この1か月で4割くらいの仕事を手放しました。
先日は非常にすっきりした顔をされていましたよ。
部下の方は任されて成長できる機会を得られ、意気揚々としています。
あと1か月もすれば、自分じゃなくちゃだめだと思っていた属人化された仕事も解消されていくことでしょう。
どうしてわかるかって?なぜなら、これはその次長さんに限った話ではありませんから。

うちの社員の仕事の抱え込みを解消したいと思われたあなたへ。
抱え込む傾向があることにご自身で気づき、抱え込んだら生産性が爆下がりだと体験で気づき、行動を変えていくメソッドがあります。
ご興味のある方はご連絡くださいね。

文:菅生としこ

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