前回の【戦略人事シリーズ】では、戦略人事とは何かについてお話しました。

今回は、戦略についてお話します。
企業においてなくてはならないのが戦略です。
戦略という言葉を使っているかどうかは企業様によりますが、どんな企業でも戦略に類するものは立てているはずです。

戦略とは

戦略とは、『長期的な視野を持って自社の強みを最大限活かして、目標を達成するための計画や方針』のことです。
戦略的に立てる計画や方針と言う言い方もできます。

「それなら、うちの会社でも立ててるよ。」という方も多いと思います。
市場が衰退期にある事業を持つ企業様は、どの方向に舵を切ったらよいのか悩んでいるかもしれませんね。
多角化経営している企業様の場合は、事業ごとに戦略を立てているのではないでしょうか。
また戦略というと、販売戦略、マーケティング戦略、物流戦略、開発戦略など機能ごとの戦略もあるかもしれません。

そうなのです、戦略は企業様によっても事業によってもマチマチですが、「そう言われるとうちの戦略はこれかな。」と思いつくものがあるのではないでしょうか。
戦略という向かうべき方向性を示した旗印があるからこそ、組織や社員は右往左往せずに行動することができるのです。

戦略はあるが、実行できていない?

「うちは戦略はあるけれど、行動がなかなか伴わず、実行されていかないんだ。」という企業様のお話もよくお伺いします。
それは一概に悪いとも言い切れません。

その場合、
・市場の動きが緩やか、
・独占市場で参入障壁が高い、
・戦略が実行されていなくても経営は成り立つから問題がない
ならば、「いつか実行されればいいさ」とのんびり構えていればよいのかもしれませんね。

しかし一方。
世の中の大半の企業は、
・競合他社の脅威にさらされていたり、市場の動きが活発でいつゲームチェンジャーが現れてもおかしくない状態、
・すでに新たな時代が始まっていて、一刻も早くポジションを確立しなければならない状態、
・衰退産業からいかに次の産業にスイッチするかのターニングポイント真っ只中な状態、
・業界内の熾烈なシェア争い中、
などなど経営者さんの熱い思いもよくお伺いします。

そのような場合には、背水の陣をしかなければならなくなる前に、自社のリソースを活用し、一刻も早く戦略を実行していかなければなりません。

あなたの企業はどちらですか?
前者ですか?
後者ですか?

ビジョンと戦略

後者だとすれば、その時に必要なのが戦略です。
戦略なくして実行部隊は動けないのです。

しかし戦略は、ビジョンがなければ立てることができません。
戦略を決められない企業様がたまにありますが、そのような企業様の特徴はビジョンがないことです。

ビジョンを明確にし、ビジョンを実現するための戦略を立てることが非常に重要です。

そのうえで、ビジョン・戦略を組織内に共有することも重要です。

ビジョン・戦略を明確にできたら、次は戦略を実行する部隊(組織)をつくることです。

ビジョン・戦略があっても、実行部隊が整っていなければ、絵にかいた餅です。
戦略を実行する部隊を整える取り組みが「戦略人事」だと言えるでしょう。

ビジョン・戦略はありますか?

さて、あなたの会社では、ビジョン・戦略はありますか?
共有されていますか?
そして、それを実行できるだけの部隊は整えられていますか?
部隊は寄せ集めの社員がいればよいというものでは全くありません。
次回は、戦略を実行する部隊(組織・人)についてお話したいと思います。

文:菅生としこ

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株式会社AWESOME EYE 代表 菅生としこ

菅生としこプロフィール

トヨタ自動車出身。組織づくり、人づくりのど真ん中で働いた原体験からはたらくを面白がる達人。
“トヨタの問題解決”を整理体系化し、広く展開。問題解決できる人材開発を行った立役者。
事業の問題解決、人が関わる問題解決、変化成長し続ける組織づくりのための問題解決サポートを得意とする。
問題なくして成長なし!問題があるからオモシロイ!

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